築19年の住宅の気流止め改修工事を行いました。1階外壁・内壁の巾木上あたりの壁に結露した痕跡が全面に見受けられ、冬はとにかく底冷えがするという事で、コストをかけずに必要最低限でコスパの高い、気流止めや床断熱材の改善、巾木下の隙間のコーキングにより簡易断熱改修工事を行いました。
築19年ですと、気密や気流止めの概念がない時代の住宅ですので、当時は断熱に対しての意識も低く断熱材の施工も間違った施工をされている場合が非常に多く見られました。
現在の住宅は10年以上前から根太レス床工法(剛床工法)が普及して主流になりました。この工法では1階、2階共に床全面を合板でふさぐため、床の気流止めが必要ありませんでした。
床下の赤く囲った部分に内壁に通ずる隙間が生じていますので、外部と同じ温度環境の床下が内壁とつながった状態になっていて、冷気が内壁に流れ込んでいます。これは欠陥住宅や手抜きではなく、その当時の住宅ではスタンダードでありました。その当時は気密や気流止めという言葉さえも聞いた事がない時代でした。
そして、それ以外に発泡ウレタン系の床断熱材が経年で少し落ちて床材から離れて隙間が生じていて、そこに冷気が入り込む状態になっている事が多く見うけられます。今回もそのような状態が見られましたので、断熱材を下から押し上げて改善しました。
それと、経年の乾燥による収縮で床材と巾木下との間に隙間が生じて、その隙間が床下の空間とつながっています。当然、そこからは冷気が流れ込んで来ますので内装用コーキング処理によりふさぎました。
気密化されていない住宅はこれらの簡易断熱改修処理により著しい効果は期待は出来ませんが、断熱環境はある程度改善され、暖房のコスト削減にも貢献したかと思われます。
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