■ウイルスの感染防止 2mの根拠■

今よく言われているのは、コロナウィルス飛沫感染は2m離れると感染しないとされていて、ソ-シャルディスタンスの目安とされています。しかし、どうして2m離れると大丈夫なのかという説明は詳しく聞いたことがありませんでした。

そのエビデンスとして、日本医事新報資料・日本感染症学会資料で調べましたら、オープンエアの環境では,2mまで到達する前に,種々の大きさのエアロゾル(微小な空気中で浮遊できる粒子)は蒸発し乾燥して飛沫核になり,60~100μmの大きな粒子でさえ、感染性を失ってしまう様です。

日本医事新報資料

しかし,問題は湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持するとのこと。呼気の87%を占める1μmのエアロゾルも感染性を有して気道で感染する。注意すべき点は,湿気の高い密室では2m離れていても,くしゃみや咳だけでなく,呼気に含まれる1μm程度のエアロゾルさえ感染性を保持しながら浮遊し、上気道または下気道に感染してしまうとの事。

一般のマスクの使用はウィルスの除去能力は少ないとしても、万が一、自分が感染してしまった場合に他人にうつしてしまう飛沫感染を予防できるという事以外に、吸気の湿度を保ち,気道粘膜の乾燥を防ぎ,繊毛運動の保持には有用であるので感染しにくい環境を維持できるとされています。

ウイルスの遺伝子変異ですが、サーズの後はいつかパンデミックが起こった時は、ウイルスも変異して致死率が上がる可能性があると言われていました。ウイルスの遺伝子の安定性を決めるRNA合成酵素に関して,インフルエンザ・C型肝炎・HIVのウイルスは遺伝子変異を起こしやすいが,コロナウイルスはRNAウイルスでは例外的に変異を起こしにくい。中国で流行してから日本に持ち込まれる過程でウイルスの遺伝子が変異し病原性が高まることが危惧されておりましたが、国立感染症研究所が分離した本邦のウイルスの遺伝子解析により、遺伝子変異は起きていないことが確認されました。との事で、ワクチン等の開発が無駄にならず、変異もなく致死率も悪化しないという事で、とりあえず現時点では安心できるようですね。。

家族が万が一、感染の恐れが出てしまって検査が受けられず医療崩壊で自宅での待機状態等になってしまった場合等、居室内の除菌等で気を付けなければならない部位等、参考になる調査報告があります。特に便や尿にもウイルスがあって、水を流した時の飛沫がトイレ内に拡散する様です。感染患者3人の隔離室環境中からのウイルス RNA検出を調査した研究で、部屋の清掃前に検体採取を行った患者の場合のみ、居室のテーブル・椅子・床・窓・流し・ライトのスイッチや、トイレの便器、流し等からウイルスRNAが検出されました。空気中からは検出され なかったが、換気扇からは検出されており、それによりウイルスを含んだ空気中の粒子の存在を示しています。 このような調査からウイルスが付着しやすい部位がわかりますので、家族が感染した場合に感染防止のための除菌で気を付けなければならない部位がわかってきました。

日本医事新報資料・日本感染症学会資料等 参照

 

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